大脳皮質基底核変性症corticobasal degeneration(CBD)は、進行性かつ非対称性(左右どちらかの症状が強い)の失行(運動機能はあるが思ったような動作ができない障害)をはじめとする大脳皮質症状と筋強剛(手首やひじ関節をスムーズに動かせなくなる等の症状)をはじめとする錐体外路症状がみられる病気です。


典型的なものは、大脳皮質基底核症候群(CBS)と呼ばれています。典型的な症状を示す例は乏しく、左右差のない例、進行性上性麻痺(PSP)の症状を示す例、アルツハイマー型認知症、前頭側頭葉認知症などの認知症が目立つ例など多彩な症例が報告されています。日本では、10万に約2名程度のまれな病気です。発症年齢のピークは60歳代です。


CBDの認知機能障害に対する有効性が確認された治療方法はありません。
大脳皮質症候群でアルツハイマー病の症状と考えられる場合、コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)、NMDA受容体拮抗薬(メマンチン)を試みても良いとされています。また、言語障害、行動障害、視空間障害などに対しリハビリテーションを行うことが推奨されています。

【参照】

一般社団法人 日本神経学会>ガイドライン>認知症疾患ガイドライン2017
難病情報センター>病気の解説(一般利用者向け)>大脳皮質基底核変性症(指定難病7)