フレイルとは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す“frailty”の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語です。

フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられますが、身体的脆弱性のみならず精神・心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味します。
一方でフレイルは不可逆的ではなく、適切な介入・支援により再び健常な状態に戻ることができるとも定義されています。

日本のフレイルの有症率は65歳以上の高齢者全体では11.5%とされています。
加齢とともに増加が認められ、80歳以上では34.9%が該当します。*

2020年4月から後期高齢者(75歳以上)を対象としたフレイルの早期発見、予防を目的としたフレイル検診も始まっています。
また、フレイルの早期発見、認知向上のためにいくつかのチェックリストも公開されています。ぜひご活用ください。

【参照】

健康長寿ネット>トップページ>高齢者の病気>フレイル(虚弱)>フレイルとは
一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会>フレイル診療ガイド
*Shimada H, Makizako H, Doi T, et al.:Combined prevalence of frailty and mildcognitive impairment in a population ofelderly Japanese people. J. Am. Med. Dir.Assoc. 2013; 14(7): 518-524.