アルツハイマー型認知症の薬について、違いを分かりやすく表にまとめてみました。
内服薬
コリンエステラーゼ阻害薬
内服薬ではドネペジルとガランタミンがあります。
ドネペジル(商品名:アリセプト®)[1]
- 代表的な認知症の薬
- 1日1回だけ飲むタイプ
- 軽度から高度までのアルツハイマー型に使う
- 少ない量から開始して、1~2週間後に量を増やしていく
- 高度の場合は、4週間後にさらに量を増やす
- 普通の錠剤、口の中で溶ける錠剤、ゼリー、粉薬などラインナップが豊富
- アルツハイマー型だけでなくレビー小体型の適応もある
ガランタミン(商品名:レミニール®)[2]
- 1日2回飲むタイプ
- 軽度から中等度のアルツハイマー型に使う
- 少ない量から開始して、4週間後に量を増やしていく
- 普通の錠剤、口の中で溶ける錠剤、液体のラインナップがある
NMDA受容体拮抗薬
NMDA受容体拮抗薬は、現在のところメマンチンのみです。
メマンチン(商品名:メマリー®)[3]
- 1日1回飲むタイプ
- 中等度から高度のアルツハイマー型に使う
- 少ない量から開始して、1週間後に量を増やしていく
- 普通の錠剤、口の中で溶ける錠剤がある
紹介したように、メマンチンを飲んでいる方は中等度~高度認知症の可能性が高いです。症状の度合いを意識すると、認知症ケアに活かせる場合もあるのではないでしょうか。
外用薬
リバスチグミン(商品名:イクセロン、リバスタッチ)[4][5]
- 背中や上腕、胸などに1日1回貼るタイプ
- 軽度から中等度のアルツハイマー型に使う
- 少ない量から開始して、4週間ごとに量を増やしていく
認知症の薬を使い分ける
軽度のアルツハイマー型認知症では、コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)の中のどれか1つが使われます。効果が出ていない場合は、他のコリンエステラーゼ阻害薬に変更されることも。
中等度には、コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)、NMDA受容体拮抗薬(メマンチン)のどちらか、または両方が使われます。
高度になると、コリンエステラーゼ阻害薬の中のドネペジル、NMDA受容体拮抗薬(メマンチン)の両方を使い、症状によってドネペジルの量を増やしていくことに。
【参照】
[1]アリセプトD錠 患者向医薬品ガイド
[2]レミニール 患者向医薬品ガイド
[3]メマリー 患者向医薬品ガイド
[4]イクセロンパッチ 患者向医薬品ガイド
[5]リバスタチパッチ 患者向医薬品ガイド