【薬剤師監修】介護現場で役立つ「一包化」の活用方法

【薬剤師監修】介護現場で役立つ「一包化」の活用方法

「一包化(いっぽうか)をすると、どんなメリットがあるの?」
「一包化された薬を、もっと分かりやすく管理したい。」

介護現場でおなじみの一包化ですが、さらに便利な方法があれば、より分かりやすくお薬管理できると思いませんか?
今回の記事では、介護現場をサポートしている現役薬剤師が、以下の2点を中心に紹介します。

  • 介護現場における一包化のメリット
  • 印字を工夫すると、さらに一包化が便利になる

どうしたら、介護現場で一包化をより便利に活用できるのか、考えるきっかけになれば嬉しいです。

「一包化」とは何か?

薬局で薬を受け取るとき、薬は袋ごとに分けて渡されますよね。その袋のことを「薬袋」(やくたい)と呼びます。
薬袋は、薬を入れるだけの袋ではありません。薬を飲む方の氏名や薬の飲み方、飲む量などの大切な情報が書かれてある袋のことをいいます。

何種類もの薬が薬袋に入っていること、そんな薬袋が手元にたくさんあることを想像してみてください。本人はもちろん、家族や職員での管理は、とても大変だと思いませんか?

たとえば、下記のような薬を飲んでいる場合を考えてみましょう。

 薬袋① 1日1回朝食後  2種類(A薬とB薬)
 薬袋② 1日2回朝夕食後 2種類(C薬とD薬)
 薬袋③ 1日3回毎食後  2種類(E薬とF薬)

A薬

B薬

C薬

D薬

E薬

F薬

朝食後

昼食後

夕食後

朝食後に飲む薬を準備するには、3つすべての薬袋から6種類の薬を取り出す必要がありますよね。当然、準備のために相応の時間がかかりますし、ミスが起こる可能性もあります。考えただけでゾッとしますね......。

そんなときにおすすめしたいのが、「一包化」です。
一包化とは、服用する時間が同じ薬を1つのパック包装にまとめることです。[1]

イメージとしては、上の図のようになります。
先ほどの薬袋①~③の例だと、以下の薬がパック包装に入った状態で受け取れるのです。

  • 朝食後に飲む薬のパック包装 6種類(A薬、B薬、C薬、D薬、E薬、F薬)
  • 昼食後に飲む薬のパック包装 2種類(E薬、F薬)
  • 夕食後に飲む薬のパック包装 4種類(C薬、D薬、E薬、F薬)

朝食後の薬の準備は、朝食後のパック包装ひとつを取り出すだけになるので、とても便利ですよね。

ただし、湿気に弱い薬などは一包化できないものもあります。
本人が飲んでいる薬が一包化できるのか、薬剤師に確認しておきましょう。

一包化すると待ち時間が増える?

薬局での一包化は、次の作業が増えるため、手間と時間がかかります。

  • 薬を包装しているシート(PTP包装シート)から薬を取り出す
  • 用法ごとに分ける
  • 分包機(ぶんぽうき)という機械でパック包装にする
  • パック包装の中に、正しく薬が入っているか確認する

待ち時間が増える可能性があるため、薬局の窓口で受け取る場合は処方せんを薬局に出しておき、のちほど取りに行く対応がおすすめです。

一包化には料金がかかるの?

一包化をするためには、薬代とは別に料金がかかります。[2]
先ほど紹介した薬局での作業と、次に説明する一包化メリットの対価と考えると、分かりやすいですよね。ただし、医師の指示で一包化する場合は、医療保険で対応できます。
医師の指示がないが一包化してほしい場合は、全額自己負担になることもあるので、事前に薬剤師へ相談してみましょう。

介護現場における一包化メリット

介護現場において、一包化はとても便利です。
本人や家族、職員の負担軽減と、誤薬の防止に役立ちます。

負担軽減

・本人がPTP包装シートからうまく薬を取り出せない場合に、家族や職員がPTP包装シートから薬を取り出さずに済む
・薬の準備が楽になり、時間短縮につながる

誤薬防止

・PTP包装シートから出すときの、薬の落下や紛失を防ぐ
・日付と飲み方の印字により、飲み忘れを防ぐ
・氏名や日付、用法が印字しているので、配薬ミス(介護施設の場合、間違って違う入居者の薬を渡してしまうなど)を防ぐ

上の図のように、介護現場で活用されている「お薬カレンダー」で管理する場合にも、一包化は便利ですよね。

一包化の印字を工夫する

一包化というパック包装にすることで、介護現場にメリットが多いと伝わったでしょうか。
さらに一包化を便利に活用するための重要ポイント、「印字」についてもお伝えしていきます。

一包化に印字できる項目

パック包装には、以下の項目を印字できます。

  • 氏名
  • 用法(朝食後など)
  • 日付
  • 薬の名前
  • 錠数(パック包装に何錠入っているか)
  • 部屋の名前(部屋番号)
  • 病院の名前 など

利用している薬局が使っている分包機の機能によって、印字できないこともあります。
どんな項目が印字できるのか、薬剤師に相談してみましょう。

印字する場所や大きさ

パック包装に印字する際は、場所や印字の大きさなどレイアウトからの分かりやすさも重要です。
例えば、複数入居者がいる介護施設の場合、「氏名」を目立つ場所に大きく印字すると見やすくなり、配薬時に役立ちますよね。
一方、自宅での介護の場合は、氏名よりも「日付」や「用法」が目立つ場所に大きく印字されていると間違いを防げます。

レイアウトの要望に対応できるかは、薬局で使っている分包機の種類や機能によって異なります。
希望するレイアウトについて、薬剤師に相談してみてくださいね。

一包化の色分け

印字だけでなく、パッと見てわかる「色分け」もあると、より分かりやすくなります。

  • 朝:赤
  • 昼:黄色
  • 夕:青
  • 寝る前:緑 など

上記のように、色で区別しておくと視覚からも判断できるため、配薬時のミスを防ぐことにつながります。

管理しやすい一包化の方法を相談しましょう

この記事では、介護現場に役立つ一包化について解説しました。

  • 一包化とは、服用する時間が同じ薬をまとめて1つのパック包装にすること
  • 一包化には料金がかかるが、保険で対応できる場合もある
  • 一包化には、介護現場の負担軽減と誤薬防止のメリットがある
  • 一包化の印字項目やレイアウトなどで、さらに分かりやすくできる

一包化は、介護現場に負担となっているお薬管理に役立つ方法の1つです。
印字やレイアウト、色分けなどを工夫することで、誤薬の防止につながります。

要介護者それぞれに合った、介護者の負担軽減になる一包化の方法を、薬剤師と一緒に考えていきましょう。

【参照】

[1]公益社団法人 石川県薬剤師会 > しっかり服薬.com > 薬の一包化って?
[2]管理薬剤師.com TOP > 加算料(一包化加算)
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