【薬剤師監修】「介護現場を応援する薬局」を見つけるには

【薬剤師監修】「介護現場を応援する薬局」を見つけるには

「薬の管理について、薬剤師に相談したい!」
「どこの薬局に相談すればよいのか、わからない」
「介護現場をサポートしてくれる薬局って、どう探せばいいの?」

薬の管理を薬剤師に依頼したいと思ったとき、薬局を探す方法が分かると便利ですよね。
現在、日本には6万以上の薬局があります。[1]
介護現場にとって、心強いサポーターとなる薬局を見つけることは、安心につながるのではないでしょうか。
今回の記事では、介護現場をサポートしている現役薬剤師が、以下を中心に解説します。

  • 薬局にはどんなタイプがあるのか
  • 薬局を見つけるには
  • 薬局選びのポイント

薬局について知ることで、自分に合う薬局探しの第一歩となれば嬉しいです。

薬局の種類は大きく分けて4タイプ

そもそも、薬局とはどんなところでしょうか?
主な薬局の役割や機能は以下の3点です。

  • 処方せんの調剤
  • 医薬品の販売
  • 薬剤師が必ずいる

こちらを踏まえた上で、立地などにより大きく分けて4タイプの薬局があります。

病院やクリニックの隣にある薬局

いわゆる調剤薬局と言うと分かりやすく、ピンと来るかもしれません。

  • 大きな病院の前に、何軒か並んでいる薬局
  • クリニックの隣にある薬局
  • 医療モールに一緒に入っている薬局

特徴は、隣にある病院やクリニックの処方せんによる調剤をメインで行っていること。
在宅医療に対応している薬局も、たくさんあります。

ドラッグストア内の薬局

ドラッグストアにも、調剤する薬局が入っている店舗が増えてきました。
看板に「処方せん受付」と書かれていれば、中に薬局が入っています。

医薬品のみならず、食品など幅広い商品を取り扱っており、生活の拠点といっても良いかもしれませんね。
ドラッグストア内の薬局でも、在宅医療に対応しているところは多いです。

昔ながらの近所の薬局

商店街などには、昔ながらの薬局もありますよね。
地域密着で、長い間、近所の方々が健康相談している場所でもあります。

どちらかというと一般用の医薬品販売がメインの薬局です。
在宅医療に対応しているかは、あらかじめ確認してくださいね。

在宅専門の薬局

最近増えているのが、在宅医療に特化している薬局です。
処方せんを持っていき、対応してもらうこともできますが、在宅医療に力を入れている薬局です。在宅医療のため、薬剤師が常に自宅や施設などを訪問しています。
もちろん在宅医療に対応しています。

「介護現場を応援する薬局」を見つける4つの方法

介護現場を応援してくれる薬局は、どうやって探したらよいのでしょう。
薬の管理をお願いしたいと思っても、薬局の情報がないと困りますよね。
ここでは、薬局を探す方法を4つ紹介します。

医師や看護師から紹介してもらう

すでに訪問する医師が決まっている場合は、医師や看護師などに、薬局について聞いてみましょう。
連携して他の要介護者を診ていることが多く、薬剤師の人柄も含めて、いくつか薬局を知っているはずです。

地域包括支援センターやケアマネジャーに紹介してもらう

地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに、薬局を紹介してもらう方法もあります。
ケアマネジャーは、他の要介護者の関係ですでに薬局と連携していることが多く、薬局について把握しているからです。

都道府県の薬局検索サイトで調べる

各都道府県のホームページには、薬局を検索できるサービスがあります。薬局は年に1回、薬局の機能に関する情報を報告しており、その情報が公開されています。
「都道府県名 薬局機能情報」と入力し検索すると、各都道府県の薬局検索サイトが見つかります。

東京都の場合

東京都 医療機関・薬局案内サービス

大阪府の場合

大阪府 薬局機能情報検索

「在宅医療」や「医療を受ける者の居宅等において行う調剤業務の実施」などの項目にチェックを入れて検索すると、在宅医療に取り組んでいる薬局が絞り込めます。
さらに、在宅医療の1年間の実績も確認できるので、参考になりますよね。

近くの薬局に相談してみる

薬剤師同士は、地域の勉強会などで顔を合わせることが多く、横のつながりがあることも。
ひとまず、近所の薬局で介護の現状を説明し、どの薬局が自分たちに合うのかアドバイスをもらうこともおすすめです。

薬局は気軽に医療や介護に関するさまざまな相談ができる場所です。このサービスを利用しない手はありません。

覚えておきたい、薬局を選ぶ3つのポイント

ここでは、サポートしてもらう薬局を選ぶ際に、覚えておきたいポイントを3つ紹介します。

薬剤師や薬局スタッフの対応が良い

自宅を訪問する薬剤師を選ぶことになるので、どれだけ親身になってくれるか、人柄や態度、言葉遣いなどは重視しましょう。
一包化の印字や、口座引き落としへの対応など、介護現場からの要望に、どれだけ誠意を持って取り組んでくれるのか確認も大切です。

人間同士ですので、どうしても馬が合わないケースもあるでしょう。その場合は、同じ薬局内の別の薬剤師に依頼できますし、薬局自体を変更してもいいかもしれません。

サポーター同士で連携が取れる

介護現場ではチームプレーが求められます。医師や訪問看護師などの医療サポーターや、ケアマネジャーなどの介護サポーターとも、しっかり連携がとれる薬局を探したいですよね。そのためにも、医師やケアマネジャーに、薬局の選定についてアドバイスをもらうことをおすすめします。

医療機器を販売している

自宅や施設での介護が進むにつれて、いろいろな処置が必要になってきます。
特殊なチューブなど医療機器を使うこともありますよね。特殊な医療機器を販売するためには、事前の許可が必要になります。[2]
薬局が医療機器を取り扱っているのかも、ポイントのひとつです。

「介護現場を応援する薬局」を見つけましょう!

今回の記事では、介護現場をサポートする薬局を見つける方法やポイントを紹介しました。

  • 薬局は大きく分けて4タイプ

①病院の隣にある薬局 ②ドラッグストア内の薬局 ③昔ながらの薬局 ④在宅専門薬局

  • 薬局を見つける方法は4つ

①医師から紹介 ②ケアマネジャーから紹介 ③薬局機能情報でさがす ④近所の薬局に相談

  • 薬局を選ぶポイントは3つ

①薬剤師の対応 ②サポーター同士の連携 ③医療機器の許可

介護現場では、薬の管理も大きな負担になっています。ぜひ親身になってサポートしてくれる薬局を見つけてくださいね。
ほとんどの薬局では、介護について相談ができます。
薬剤師も相談されると嬉しいものです。ぜひ、薬局で話を聞いてみてくださいね。  

【参照】`

[1]令和元年度衛生行政報告例の概況 5薬事関係,厚生労働省
[2]東京都福祉保健局 >  健康・安全 > 医薬品の安全 > その他医薬品等の安全 > 医療機器販売業、貸与業について > 2高度管理医療機器販売業・貸与業の許可について

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